2nd EP - Habitable Zone

2017年リリース作品
これまで同様 Pocket Galaxy のスタイルは強固に貫いている本作は、一方でプログレッシブ・メタルやジェント系にも通ずるカラーが大きく顔を覗かせている。2人がそれぞれ影響を受けて来た音楽を考えると、こういった変化や進化も自然な流れと言えると共に、Pocket Galaxy の新たな生存可能領域(Habitable Zone)も垣間見える作品。



Music commentary - 楽曲解説

1st track

State of flux で2人が目指したのは、映画 Interstellar の世界観に近い。
【遥か宇宙の果てから届いた救難信号を元に、仲間を助けに行く部隊の過酷で孤独な旅】が一つの大きな物語的背景として展開する。故にこれまでの Pocket Galaxy にないくらいの "男っぽさ" が感じられる曲かも知れない。
しかし、Jun と Philip のどちらが宇宙船を操作するかでうっかり揉めちゃったので、現在2人が宇宙の果てで無事なのかは不明だ。

2nd track

Spherical tails は今作リリースの10年近く前、Pocket Galaxy の名もまだ存在していない頃にLiveでプレイされた事がある曲。
長い時を経て培った2人の音楽的レベルが、この曲を更にユニークなスタイルへと進化させ、この作品の一部として綺麗に収まった。
因みに当時2人はこの曲を Spinach(ほうれん草)と呼んでいた。地球のレベルではヘルシーなタイトルだったが、銀河レベルで広がった今作ではタイトルの面でも進化を遂げた。

3rd track

Moonlit 0A7 は Pocket Galaxy とは別に、以前 Jun&Philip 名義でリリースされた作品にも収録された曲。

元々 Pocket Galaxy の曲としても違和感がないフィーリングを持っていた為、Spherical tails 同様に今作にフィットさせた。
当然新しいアレンジを加えた部分もあり、楽曲が持つフィーリングはミックスのバランスなども含め、気持ちの良さが格段に進化した。
終盤で聴ける美しい歌声は前作収録の Oasis in timelapse でも歌ってくれた Marin Yamamoto のものである。
実はこの曲の為にレコーディングしたのではなく、アレンジの段階で実験的に Oasis in timelapse のボーカルトラックを切り貼りで使用してみたものが見事にハマり、結果的にそのまま採用される事になった。ピッチなどは一切変える事なく、切り貼りだけでこの曲のキーにもここまでマッチしたのは奇跡的な偶然だったと共に、この曲を別世界へ導いてくれた彼女の歌声に改めて感謝したい。

4th track

Habitable Zone - アルバムタイトルでもあるこの曲は、その名の通り新たな生存可能領域の発見と、その世界での不思議な生命たちの爆発的な進化と繁栄を綴った1曲。
空で生きる植物達や幾何学的な生命体、空気中から様々なものを生み出す不思議な先住民達…そんな誰も見た事のない世界を自由に想像しながら楽しんで欲しい。
この曲が生み出す期待感やエネルギー、ワクワク感を次の作品にも繋げたい。